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- 勉強のやり方のポイント3つといえば?
- これだけは忘れないで!ということは?
- 何があっても自分を信じるには?
Mr.michizane
受験は長い人生の1コマかもしれませんが、実際は本人はもちろん、家族にも何かしらの影響を与えます。本人にとっては人生の分岐点。結果の受け止め方も含めて、自分自身と振り返るきっかけになります。
受験勉強のやり方について4記事ほど書いてきました。実は、あれこれ伝えていません。考え方はシンプルで、大切なのは「自分が自分の姿を明確に描けるか」ということなのです。
今回は「自分」が受験勉強をやる当事者なんだ!という自覚をもって勉強に向かうためのコツや挫折しそうなときの対処法について解説します。内容的には、保護者様だけでなく受験生ご本人にも読んでいただきたく、3つの視点でお伝えします。
- モチベキープはG-PDCAサイクルで
- 思い込みと自己内対話を活用する
- 学ぶ楽しさと知的好奇心を大切に
受験勉強で疲れたときに、あきらめそうになったときに、この記事を読んで少しでも元気とやる気を取り戻せたらうれしく思います。
受験勉強の視点1:モチベキープはG⁻PDCAサイクルで
G(ゴール)⁻PDCAサイクルを強烈に意識しよう
ここではビジネスでも活用されるPDCAサイクルについて説明します。受験勉強もPDCAを意識すること、とくにPDCA以前にあるG(ゴール)を強くイメージするのが重要です。
G(ゴール)があってこそモチベは保てる
PDCAサイクルとは、管理や運用などの業務を円滑にすすめる手法をいいます。ビジネスの現場で使われることが多いのですが、目的を達成したい場合、PDCAサイクルを使うケースは日常にもあります。受験勉強はその一つです。
PDCAとは、Plan(計画)ーDo(実行)ーCheck(分析・評価)ーAction(改善)の頭文字をとったものです。目的地であるG(ゴール)を最初におき、G-PDCAサイクルとする考え方もあります。
何よりG=ゴールが重要です。どのようなゴールを描くかによって計画そのものが変わり明確になってきます。モチベーションを維持するために、いつでもどこでもG(ゴール)の姿を思い描ければ少しでも前進できるでしょう。
受験勉強を続ける場合、G(ゴール)は「○○大学に合格」「○○高校に合格」あるいは「○○中学に合格」とするのが一般的です。自分の描く未来像が受験の先(大人になった自分)に在れば、G(ゴール)の様相は大きくなります。したがってPDCAも変わってきます。
受験生のみなさんが、G(ゴール)のイメージがまったくわかず、ワクワク感をもてないのなら、実はG(ゴール)=目的の設定ミスかもしれません。
G(ゴール)は自分がワクワクするものを!
受験勉強の最中にやる気がなくなるは、よくあることだと思います。大切なのは「やる気が出ない理由」を自分なりに分析する姿勢です。
ふつうは、緊張感や焦り、不安から逃れるため「やる気のなくなった自分」と対話せず、ほかの人や環境のせいにしてしまいます。「ゲームやスマホが気になるから」「うちの人が勉強、勉強とうるさい…やる気も失せる」「先生の教え方が悪い」「弟の笑い声がうるさくて…」など、挙げればきりがありませんね。
しかし、受験勉強・受験・入学するのは、自分です。自分の人生ですから、自分でなんとかしなければいけません。ほかの人や環境のせいにしてしまう自分であるのは、目的が不明瞭だからです。ワクワクしないからです。
G(ゴール)を「○○高校に合格する」にしてるのに、ワクワクしないのはどうしてでしょう。なんとなく設定したのでは?自分の言葉になっていますか?
G(ゴール)は自分のテーマでありキャッチフレーズ
G(ゴール)は自分の言葉で、自分の心を揺さぶるようなフレーズにしましょう。自分自身の一大テーマだと思ってください。作成に時間をとるのは受験勉強に差しさわりがあるとしても、ゴールの明確な設定は重要です。「○○高校に合格する」の文言を次のように変えてみます。
- ○○高校に〇位以内、数学満点で合格!
- ○○高校の特進科で1番を取る!
- ○○高校の先は○○大学が待っている!
上記は一例ですが、高校入試合格のイメージを具体的に、高校入学後の自分像を明確にします。最終ゴールが「合格」だけでは、ほかの受験生のG(ゴール)とまったく同じです。自分の姿もぼやけています。
合格の姿、合格後の姿を明確にイメージできるのが、よいG(ゴール)設定です。高校合格は1つの通過点ととらえ、先を見据えた方が気持ちがワクワクするのなら、入学後や将来の姿を描き出しましょう。
現実的でないと周囲に笑われても、いいのです。隠しているより、目に入る場所に掲示したり小さな紙に書いてお守りのように持ち歩いたりするのもいいでしょう。
「〇位以内なんて無理…」という思いが心のどこかにあったとしても封印します。最終的に目的地に到達するのは「自分はできる」という強い思いです。自分自身の心に刺さるフレーズを考えましょう。
- G(ゴール)があってこそモチベは保てる
- G(ゴール)は自分がワクワクするものを!
- G(ゴール)は自分のテーマでありキャッチフレーズ
受験勉強の視点2:思い込みと自己内対話を活用する
「自分はできる」と信じることが本当の自信
「自信がない」という言葉。大人でもなかなか自信はもてません。”自信がない”から人のことがうらやましくなる、妬む、挑戦しなくなる…などのマイナス的態度が生まれます。
逆に「自分はできる」「天才だ」と思えば、人のことが気になりません。そして、思い上がりとは違います。正しく自信を付けられた人は人にも温かいのです。
本章では「自分はできる」という思い込みが大切な理由と自己内対話の重要性について解説します。受験勉強を通して、受験生が人として成長するための視点です。
プラス的な思い込みでプラスにしよう
思い込み、と聞くとマイナスイメージです。ただし「自分はできる」「自分はやれる」と思い込むのはプラスとなります。強烈に思うことで、その思うがままに運命は動く、と話している方がいます。先日亡くなられた稲盛和夫氏です。
筆者が20代のころ、稲盛和夫氏の書籍から生き方に触れ感銘を受けました。経営の神様を言われる稲盛氏は数多くの名言を残しましたが、その中の一つをご紹介します。
自分の運命は自分で管理しなさい。でなければ、あなたはだれかに自分の運命を決められてしまう。~稲盛和夫~
自分の言葉は自分にかえってきます。よく描けばそうなるし、悪く描けばそうなる…。複雑なことではありません、とても単純にできているのです。
自分が自分に問う姿勢が自分を強くする
自己内対話の重要性については、別の記事にも書きました。”悩む”とは異なります。悩みを深くするとメンタルの調子が悪くなる経験はありますね。しかし、自己内対話は悩みと異なり、実に生産的で創造的なものです。
模試の結果が悪ければ「あ~だめだ」「どうしてあんな問題でミスをしたのだろう」「勉強したのに…これでは志望校に受からない」というのは悩みというか、愚痴ですね。この言葉からは何も生まれません。
しかし次のように自己内対話をしたらどうでしょう。
- 数学でミスをしてしまった
→でも、見直ししたの? - うん、見直ししたけれど気づかなかった
→結局間違えたから仕方ない
→間違えたのは事実だから自分が悩んでも変わらない - だったらどうする?
→見直しをする、焦らない
→それで間違えたんだから、ほかの策を考えたら?
→「問題文に印をつける」「見直しに頼らない」「過程を丁寧に書く」
→時間がなくて焦ったから普段からタイマーを使って解答する
→文具に気をつかい速記できる書きやすいシャープにする
後半になるにしたがって、具体的になっています。これは自分を客観視している証拠です。自己内対話の習慣をつけると、自分の見方や考え方を修正できるようになります。同時に感情に走らず、ぶれない自分軸を立てられるようになるのです。
※タイマー、シャープやペンケースありきの勉強というより、自分主体で考えて「これだ!」と思うものを選ぶと、事物に大きな価値が生まれます。この視点重要です!
自己内”分析”ができれば成果につながる
自己内対話は自己分析力を磨きます。前章で紹介したG-PDCAに通じる話です。つまりゴールを明確にし、Plan(計画)を立て、Do(実行)したのちは必ずCheck(分析・評価)が必要です。やりっぱなしにしないこと、これが成長するためのルールです。
分析したら、その結果をもとにAction(改善)してみます。やってみなければ分かりませんよね。この繰り返しで、少しずつ全体としての成長(総合力)につながるのです。しかもサイクルが回っていればいるほど、エネルギーにあふれ、やるのが当たり前になっていきます。これが習慣化です。
受験勉強は長期戦です。長期戦には、自分のエネルギーをいかに溜めて効率よく動かしていくのかが重要になります。そのためのC(分析・評価)は、G(ゴール)を達成するために大切な要素なのです。
- プラス的な思い込みでプラスにしよう
- 自分が自分に問う姿勢が自分を強くする
- 自己内”分析”ができれば成果につながる
受験勉強の視点3:学ぶ楽しさと知的好奇心を大切に
●学ぶ楽しさと知的好奇心が人を美しく編みあげる●
筆者が小学校の教員時代、学習の動機付けの研究をした経験があります。動機付けとは、人間が目的に向かって行動を起こし到達するまで継続させる心の様相、つまりモチベーションを表します。
ここでは、動機付けを受験勉強と絡めながら解説し、勉強を楽しく継続的に行うためのエキス”好奇心”についてお伝えします。人として豊かに成長するための大切な要素です。
学ぶ楽しさと内発的動機付け
動機づけには外発的動機付けと内発動機付けの2種類があり、受験勉強を例に挙げると分かりやすく説明できます。
外発的動機付けは、たとえば勉強する理由を「親にほめられたいから」「1番になりたいから」「合格しないと恥ずかしいから」とすることです。外的要因が大きく働いています。
しかし、内発的動機付けは「英語を勉強するのが楽しいから」「分からない問題を解くとワクワクするから」「歴史的な背景にどうしても知りたいから」など、自分の内面に起こる喜びや楽しさ、好奇心などがかかわっています。
受験勉強が苦しいと感じるのは、外発動機付けが強く働いているからです。楽しいと感じれば、内発的動機付けが原動力になっているといえます。(なお、最初は外発動機付けがきっかけで学びの楽しさを感じるのは悪いことではありません。継続するためには内発的動機付けが必要だとお伝えしたいのです)。
学びを楽しいものと感じるには、自分の内面に”学ぶ喜び”が生まれる状態を創り出す必要があるのです。では、楽しさや喜びを創り出すにはどうしたらいいのでしょうか。
学ぶ楽しさと内発的動機付け
内発動機付けが学習に対する姿勢を変え、プラスに働くことが分かりました。内発的動機付けを高めるためには、いくつかの要素があります。たとえば次のようなものが考えられます。
- 主体性…自分がやりたい、やるべきだ、やってみる
- 好奇心…事物事象に興味や関心をもつ
- 目的や課題の設定…具体的なゴールを描く、そのための努力をする
- 関係性や有能性…仲間とともに・人の役に立った・チームパワーを感じるなど
- 自己内対話…主体的に自らの内面を探る
動機付けにはさまざまな論や見方がありますから、一概に「これだ!」と決められません。上記もほんの一例です。ただ、これまでの記事内容と関連していますね。今回取り上げたいのは知的好奇心です。
「好奇心」は全般的な意味合いをもちます。未知の事柄、さまざまな事物事象に対する興味関心です。「知的好奇心」は、好奇心のなかの知的分野に対する興味・関心といえます。
知的好奇心は、人間にもともと備わっているものだと考えられています。赤ちゃんが興味をもって動く物を見る、その姿にも知的好奇心が働いています。
受験生のなかには「別に何も興味もってないし、しなきゃいけないから勉強するんだ」と話す子もいるでしょう。しかし受験生がそう思ったとしても、”必ず備わっている(今は眠っているかもしれない)知的好奇心”を強く意識してみてください。
受験勉強をしながら「へえ、そうなんだ」とぶつぶつ唱えても構いません。教科書や参考書の内容はすべて「知的」のかたまりです。書籍だけでなく動画やマンガにも知的な内容を含むものがあります。「知的生活」の一つが受験勉強ととらえて机に向かってみましょう。
やる気はあるものではなく育てるもの
「やる気がある」「やる気がない」という言葉で表現されがちな「やる気」。しかし、人間にもともと備わっている知的好奇心に対して、やる気は最初からあるものではなく育てるものといえます。
「学びの楽しさなんてあるわけない」と思う方もいるでしょう。ただ、楽しさもまた育てるものとお伝えたいのです。もしも「やる気がない」「楽しくない」と思うのであれば、何をすればいいかといえば…シンプルです、「知的生活」を始めてみましょう。
人間の細胞には、長年積み重ねてきた歴史が息づいています。そして人間に与えられた最高のご褒美が知的好奇心。知的好奇心があるからこそ、発展してきたといえます。あなた自身の進化もまた、自分で育てられるのです。
”必ずある”知的好奇心を呼び覚ますぞ!と思って、教科書を開き、問題を解き、なぜかと考え、再度復習してみる…。自分の姿を「知的生活バッチリ!」と評価し継続する…。この過程で少しずつ変化が感じられます。プラス的な感情が少しでもあれば、ぜひ自分を認めてください。
- 学ぶ楽しさと内発的動機付けはつながっている
- 知的好奇心と内発的動機付けはつながっている
- やる気はあるものではなく育てるもの
受験勉強の「見方・考え方」を変えよう:まとめ
受験勉強のやり方、というより「見方・考え方」を変える!
ここまで読んでくださりありがとうございます。受験勉強のやり方といえばスキルやノウハウなどに頼りがちですが、根本は「受験勉強に対する見方・考え方」です。見方・考え方が間違っていると分かれば、次に何をすべきか見えてきます。
受験勉強をしてやる気がなくなってしまったときも「自分が自分の姿を明確に描いているか」と、まずは振り返ってみましょう。当事者意識をもって勉強するのが大切で、やる気はG(ゴール)設定がうまくいっているかいないかによるのです。
ワクワクする目標設定をしてみましょう。そして、テストや模試の結果に一喜一憂するのではなくCheck(分析・評価)を丁寧に行います。分析では自己内対話で丁寧に課題を洗い出します。
受験勉強は長期戦です。我慢強さも必要となります。しかし「我慢強く勉強するしかない」と思って学習するのは苦しいですよね。その場合は学ぶ楽しさに通じる知的好奇心を呼び起こすつもりで「知的生活」を始めましょう。どんな小さなことにも「なるほど…え?どうして?どうなってるの?」と唱えてみます。
そしてやはり意識してほしいのは、自分の見方や考え方を振り返り、間違っていたら修正することです。いつでもどこでもG-PDCAサイクルを回していきましょう。この習慣が学力だけでなく自分自身を成長させるのです。
今回の記事で受験生のみなさんの心に元気をやる気が少しでも生まれたら幸いです。